無風時のライズアップ
パワーライズアップの方法
動画

最近Nucleon XXの無風時のライズアップの問い合わせが増えましたので、
お答えいたします。


Reportair Univesal も同じやり方で、ライズアップできます。
Snake XX Hadron XXも同じですが、こちらはクイックにキャノピーが上がるの
で逆にキャノピーの止め方の練習が必要になります。


Nucleon XX Reportair Univesal は新しいリーディングエッジ技術で、
無風の状態でもエアインテークとリーディングエッジ最初から膨らんでいます。
つまり地上にキャノピーを広げて離陸準備をしている時も、
飛行中と同じように膨らんでいます。
昔のパラグライダーは地上に置いた時はペタッとしていました。

その違いは。
昔のパラはライズアップのために走り始めた数歩は、
Aライザーを持った手を後ろに伸ばしていました。
これは助走で空気が入るのを待っていたのです。
その後、
空気が入ったキャノピーはリーディングエッジが完成して滑空を開始します。
そしてAライザーを持った手を約15cm引きます、
こうする事で滑空速度が速くなり頭上に上がりやすくなったのです。


さて、Nucleon XX, Reportair, Univesal は先ほど言ったように、
無風でもリーディングエッジが地上に置いた状態でも完成しています。
つまり加速すればすぐに滑空状態になり、頭上に上がってきます。
簡単に言えば、何も待たないで加速だけすれば良いのです。

キャノピーに空気が入るのを待っていた数歩の助走は、
必要なくなってしまったのです。

Aライザーを持った手は後ろに伸ばさず、
最初から頭上に上がった状態から15cm短い位置に手を固定して走れば、
キャノピーは滑空を開始して上がってきます。
上がったらAライザーを持った手を上に伸ばしてから、放します。

Nucleon XX, Reportair, Univesal の弱点は内部にプラスチックロッドを多様
しているので、前縁の重量が増しているのです。

そのため、
ライズアップ時の助走速度が遅いと
キャノピーが滑空を開始しない事があります。
昔のグライダーの軽いリーディングエッジのようなゆっくりの助走では
上がらないのです。


しっかり走って確実な離陸速度を確保して離陸しましょう。
シャークノーズとロッドシステムによる美しいリーディングエッジは
低速飛行から高速飛行まで安定した翼として機能します。

これらのテクニックはリーディングエッジにロッドを採用している機種に
共通に使えます。



ここからがパワーライズアップの方法です
エンジンの推力を利用してライズアップを行います。
しかし、プロペラを高速回転するので注意が必要です。
まず最低限必用な事からお話します。


多くの場合無風時に使うフロントライズアップの方法です。
キャノピーを地面に広げて準備をしますが、必ずラインチェックが必要です。
ラインの地面での配列点検と配置をしなかったら、
必ず失敗してプロペラでラインを切ることになります。
ラインの配置は、まず
ブレークコードを引っ張って左右のリーディングエッジの湾曲を形成します。
この時にライン点検と配置も自動的に行えます。
後はその他のラインの点検だけです。


もう一つ、
リーディングエッジの中央部分は、
左右にテンションをかけて広げて置くこと。
中央部分から空気が入りますので、
早い段階でリーディングエッジを形成するために飛行中と同じ形に準備します。
左右にテンションをかけておかないと、
ライズアップ開始時にアコーディオンのように一旦リーディングエッジが延び縮
みしますので、翼形の形成が遅れてしまいます。
結果、ライズアップも遅れて失敗します。


次は中央にパイロットが立つわけですが、
中央部分のラインスペースが必要です。
ライズアップ時にガードがすり抜けるためのスペースを作ります。
ガードがすり抜ける時に左右均等の位置でラインがすり抜けなかったら、
キャノピーは傾いてしまいます。
修正は難くなるしガードへの負担が大きくなって危険なので、
左右均等にラインがすりぬける事は重要です。
グライダーが上がり始めたら、
体を立ててガードを垂直にして走り続けます。
その時ラインがガードの横をすり抜けて、ガードの上方に上がっていきますが、
前傾姿勢のままだと、推力がいつまでもキャノピーに当たって
ライズアップは失敗します。
下記のように
NO

背中が上を向いています。

GOOD

もっと背中を垂直にした方がスムーズに上がります。

ここまでが準備と予備知識でした。
さて、これからライズアップです。

左右の手でライザーを持つわけですが、
手をプロペラガードに接触することはとても危険です。
もしラインがプロペラに絡んで引っ張られてガードに吸い込まれたら、
手はプロペラによって切れてしまいます。
ラインは簡単には切れないので、ガードは潰れてしまい、
プロペラに接触します。
手が引っ張られたらすぐに手を離すことが重要です。
過去にこのような状況で手を骨折した人が友人にいます。


このようにならないためには、
ライズアップ時にエンジンの推力を抜けば良いのです。
まず、半分くらいの推力で背中を押しながら、第一歩目を走りだします。
足の二歩目でスロットルをゆるめて、推力を抜きます。
しかし、そのまま走るのは続けるとライズアップできます。

キャノピーが45度以上上がったら、
再び推力をかけて助走してキャノピーを点検コントロールして離陸します。

つまり、ガードをすり抜ける時にほんの一瞬アクセルを緩めるのです。

第一歩目の速度が重要なので、そこで推力を使うだけなのです。

ちょうどライズアップの一歩目をゆっくり行うと、
キャノピーに空気が入って膨らみ始めたところに、
プロペラ推力の風が当たってラインテンションと均衡する状態になります。
この状態ではすでに失敗していると判断するほど危険です。
中止するべきです。

この方法はタイミングがとても重要なので、練習が必要です。
キャノピーを付けないでアクセルワークのタイミングを練習します。
まあ、練習と言っても、ハーフパワーから二歩目でアクセルを緩めるだけです
が。

グライダーによっては、早く上がったり遅く上がったりします。
これは各グライダへの特性ですから、それに合せてキャノピーが推力線をキャノ
ピーが越えて上がったら推力を使う必要があります。
ライズアップの遅いグライダーは、2歩目まで推力が必要になります。

けっしてフルパワーでは行わないでください、大きなダメージが発生します。

もう一つ、この方法は左右のラインテンションが均等でなかったら成功しませ
ん。
つまり、走り出し時にAラインのテンションが少しでも差が有ったら傾いてキ
ャノピーは上がり始めて失敗します。
それを防ぐのは、左右に持った手のAラインが左右均等なテンションの位置でス
タートする必要があります。
けっして、この姿勢を崩すような、一歩下がってラインテンションを緩めてか
ら走り出すことは禁物です。
とにかく左右均等にテンションが一歩目にかかる必要があります。


また、ライズアップそのものの原理とやり方を理解した上でこの方法は行っ
てください。


無風での飛行は安定した大気のために、すばらしい物ですが
ライズアップのテクニックが必要になります。
練習して楽しみましょう。




不明な点がありましたら連絡をしてください。

五十嵐亮弥
フライトシステム
tel. 090 4552 8003



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