HADRON

DUDEK ハドロンは競技会用のグライダーとして発表されました。
安全規格も強度テストだけを実施していますので、
安全性は全てパイロットの責任で飛行する事が条件です。
多くの競技パイロットによるフィードバックで、安全性と高性能をアップしてきました。



注意点として、私が感じるのは、
リーディングエッジの硬質を高めるためにリブの前縁にバテンが入っています。
これはクロスと違ってラインなどに引っかかりやすい物なので、
キャノピーが潰れた時に注意が必要です。
フルストールをテストしたパイロットの話では、
失速して行く時に前縁だけが硬質なので馬蹄形にグライダーが曲がっていきます。
最後に両翼端どうしがぶつかって互いに絡んでしまったそうでした。
予想どうりの結果ですが、そのまま絡みがほどけなかったら、
パラシュートを出さざる終えなかったそうです。
幸い時間がかかりましたが、ほどけてくれたので飛行を続けられたそうですが、
特に注意が必要です。



メーカーの説明ではトリムライザーは半分まで伸ばして、アクセルをフルで使用可能ですが、
トリムをフルオープンでアクセルもフルアクセルでは潰れが発生するそうです。
つぶれが発生するのはグライダーがヨーイングを始めた時ですので、
特にヨーイングには注意するべきです。

最近は慣れてきたので、ヨーイングを起こさないで最大速度を維持できるようになった。
TSTの使い方がポイントで、アクセルとトリムを最大速度に使う時はブレーク操作は禁物です。
設計者のDUDEKも言っていますが、高速飛行時にブレーク操作をすると
逆操舵になってヨーイングが発生しやすくなります。
そのためにTSTで微調整を行います、これが習得できていればフルスピードが使えます。
詳しくは五十嵐まで。


旋回性能と滑空比と高速飛行性能はすばらしいグライダーですので、
注意事項を理解して無理の無い飛行を楽しんでください。


時々山飛びにHADRONを使っていますが、とても調子が良いです。
今までのパラグライダーでは行けなかったところまで飛行範囲が広がります。
沈下率が少なく、サーマルコンディションでの安定性で高速飛行が可能です。
素晴らしい体験ができました。



2014年2月3日 HADRON レポート

最近はだいぶハドロンにも慣れてきたので、使い方を説明いたします。
低速飛行に関して
トリム低速飛行時は、かなり滑空比が良いです。
しかし、さらにブレークコードで低速にして、失速に近くなってくると滑空比は極端に悪くなるよう
です。
やはり小さめのサイズで飛行しているので、あまり低速で飛行するべきではないようです。
私の体重は63kgでHADRON20を使っています。

翼型がとてもクリーンに仕上がっているので、抵抗が少ないので少し早めの速度で飛行しても
沈下率の変化はあまり大きくないようです。
逆に飛行速度はある程度高く維持して飛行した方が、同じ燃料でも長距離飛行が可能になり
ました。
今までのように低速で浮かせて飛ぶのではなく、速度を高く維持することで燃費レースに向き
合えるようになりました。
これを使いこなせれば、大きな利点だと思います。


高速飛行に関して
トリムとアクセルで最大速度で飛行する時は、チップコントロールが必要です。
高速時のブレークコード操作は危険です。
高速飛行時はリフレックス性能が強く働いているので、ブレークコードを引くとリフレックス翼型
が崩れて旧タイプの翼型に変化します。
その場合の翼の風圧重心位置はかなり後ろになってしまいます。
その結果として翼が前に突っ込んでしまう迎え角になって、潰れてしまいます。
それを阻止するには、レフレックス翼を崩さない、翼端部分(チップ部分)を抵抗板として作用さ
せて旋回やブレーキをかけます。

これは直線飛行時の話です。


急旋回飛行に関して
直線飛行時はリフレックス翼で最大速度まで安定して使えます。
しかし、急旋回飛行時は減速して、リフレックスウイングの効果を小さくしなければなりません。
リフレックスが弱ければ、風圧重心の位置変化が少ないので、潰れる事はありません。

結果としてF1のレースのように直線ではハイスピードでカーブでは減速する速度管理が必要で
す。

スラローム世界選手権者のグレゴッシュ選手の飛行です。
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